医療現場の仕事を表す「3K」について

看護業界における医療現場の仕事は、「3K」と表現されることがあります。これは、「きつい、汚い、危険」の3つを表します。少し自虐的な表現ですが、現実の一端を表していることには、間違いがありません。また、看護業界の仕事の特徴や現実をうまく言い表しているとも言えます。

まず、「きつい」。ナースステーションから病室に移動して、ベッドサイドケアをするのでありますから、デスクワークのような静的な仕事でなく、能動的でかつ、効率的な仕事が期待されます。また、様々な介助や体位変換には、体力を要することがあります。これらのことを表現しています。次に、「汚い」。現物の人間は、実習モデル(人形)のようにきれいではありません。排泄もしますし、血液を含めて他人の体液は、通常、汚いと感じることも否めません。ところが、人を看護するためには「清潔・不潔」の区分や取り扱いや処理の方法の知識を正確に持って、人間愛に根ざした取り組みが期待されるのでそのようなことは言ってはいられないのです。最後に「危険」。注射針をはじめ、医療機器には鋭く尖ったものが多くあり、取り扱いを誤れば大きな怪我する可能性があります。また、感染の疑いのある患者の注射針を自分に刺してしまう「針刺し事故」も残念ながら後を絶ちません。

これは一例ですが、単に「危険」と感じるのではなく、医療機器の使用方法の誤りは重大な医療事故につながりますし、医療現場において、十分注意して、再確認して仕事に取り組むことで「危険」を避け、対処していくしかありません。こうしてみていくと、「3K」とは、ネガティブワードでなく、看護業界の現状の一部を端的に表現しているとも考えられるでしょう。